休養学: あなたを疲れから救う

読書感想

ただ寝ても休めていない?!あなたはほんとに疲れが取れていますか?

今回の本のご紹介

 今回は、著者:片野 秀樹さんの『休養学: あなたを疲れから救う』をご紹介いたします。

 早速ですが、みなさまに質問です。
 「あなたは今疲れていませんか?」
 ・いつも体が重い
 ・休日はゴロゴロしている…
 ・毎日の仕事や家事が忙しい…
 
 このように、ゆったりと休めていない人、特に日本人は多いのではないでしょうか。こちらの本によると、日本人の8割もの人が疲れているんです。

 私もその一人です。残業もわりかしある平日。土日は休んでいるつもりでも、やっぱり月曜は億劫だし、疲れている感じが拭えない。金曜日なんてもうヘトヘト…。
 
 ただ、人って疲れていても何とか活動できてしまいます。発熱といった病気とは違って、ただの疲れではなんだか有給休暇も取りづらいのが現状です。


 この本では、「休養学」という学問として、
 ・人はなぜ疲れるのか
 ・疲れても無理をして休まずにいると、人間の体はどうなるのか
 ・どんな休み方をすれば最も効果的に疲れがとれるのか
 こういった疑問について科学的な解説を加え回答されています。

 さて、今回は”いかにして効率的に休むことができるのか”ということに重きを置き、こちらを読んでいただいた後にすぐにでも実践できるようなものを紹介していければなと思います。
 

 今回こちらで要約する内容はこの3つ!
 1.「休養学」とは?
 2.最高の「休養」を取る7つの戦略
 3.「休み方」に関する新しい観点
 
 個人的には「休み方」に関する新しい観点を知っているのと知らないのとでは、日々の生活に大きな影響を及ぼすものだと感じましたので、とても必見な内容となっています。

「休養学」とは?

 なかなか聞きなじみのない言葉です。こちらは著者片野さんが提唱されている学問となります。

 健康づくりの三大要素は、「栄養・運動・休養」と言われています。栄養や運動については小学校の頃から、家庭科や体育といった授業が設けられ、さらには専門として学べる大学もあります。

 しかし、休養となると、そういったことを教えてくれる授業や専門として学べる学校もありません。学問として確立されていないのです。

 その結果どうでしょうか?

 「疲れたら休む」という当たり前のことができていないのではないでしょうか。
 あるいは、「休むこと=なまけていること」だと捉え、休むことに罪悪感を抱いてることはないでしょうか。

 なんせ、挨拶として「お疲れ様」なんて言葉があるぐらいです。疲れているのが当たり前という共通認識があるからではないでしょうか。いまだに休まないのが美徳とされており、有給休暇申請さえ出しづらい会社も少なくはありません。

 でも、ここでいったん考えてみてください。疲れが続くとどうなるでしょうか。パフォーマンスが低下して、結果、生産性も落ちてしまいます。これでは会社としても損失となります。そして当の本人は、疲れがたまり、放っておくと、重大な病気を招く可能性もあります。

 たかが疲労ではありません。疲労は病気につながる重要なサインなのです。

 では、疲れを取るにはどうすればいいのでしょうか。

 一番初めに思いつくことは寝ることです。寝ることで体を回復させるということです。
 
 でも、現代の今、それではだめだったんです。

 令和という現代では、たくさんの情報が飛び交い、頭を使う作業が中心となっています。デスクワークとなると、一日中座りPCに向かって作業する形式が基本となっています。体はあまり疲れていないんです。

 このように頭、つまり脳に多大な疲れ・ストレスを与え続けると、次第に自律神経が乱れていきます。この著書では、自律神経の乱れ方は、4パターンあり、それに応じて疲れ方も4パターンあると解説されています。ですから、疲れ方さえも人それぞれというわけです。
 
 先ほど、現代の仕事について記載しましたが、それに加えて現代の日常のサイクルについても考えてみましょう。

 一般的には、
 「活動」→「疲労」→「休養」というサイクルかと思われます。
 
 スマホを例にすると、スマホを使っていくとだんだんと電池が消費されていきます。そして充電と言う休養を経て、また活動していきます。

 ただ、これで100%充電できていないため疲れているわけです。感覚的には50%程度しか充電できていないぐらいです。そこで休養学で提唱されていることは、活動の前に休養とは別に、疲れを打ち消すような要素を加えるということです。

 それが「活力」です。ちなみに、辞書を引くと「疲労」の対義語は「活力」と書かれています。

 つまり、「活動」→「疲労」→「活力」→「休養」というサイクルにすることによって、休養では50%程度しか充電できていなくても、活力を加えて満充電に近いところまで持っていくのです。

 この活力ですが、あえて軽い負荷を自分に与えると、活力が高まるとわかっています。

 「超回復理論」というのはご存じでしょうか。
 筋トレをしている人にとっては聞きなじみのある言葉かと思います。

 アスリートの方が筋トレと言ったトレーニングをしていて、前回のトレーニングの疲れが回復しきっていないのにトレーニングを続けるとします。すると、結果的にパフォーマンスはどんどん下がってしまいます。

 そうならないために、アスリートたちは超回復理論に基づいて、激しいトレーニングの後に必ず一定の休養をとるころでパフォーマンスを上げていくのです。

 少し言い方を変えますと、「あえて負荷をかけたトレーニングをすると、その直後は疲れて体力が低下するが、そのあと十分な休養をとることでトレーニングをする前より体力がつく」という現象を説明した理論です。

 この理論を日々のサイクルに落とし込みます。あえて自分に何か負荷をかけることで活力を高めてもう一度しっかりと休養の時間を取るということです。

 疲れたら、休みつつ、負荷をかける。これが活力を高めるうえでのポイントなのです。

最高の「休養」を取る7つの戦略

 先ほど記載した、負荷のかけ方には4つの条件があると書かれています。
 1.自分で決めた負荷であること
 2.仕事とは関係ない負荷であること
 3.それに挑戦することで、自分が成長できるような負荷であること
 4.楽しむ余裕があること

 くれぐれも無理は禁物ですが、自分に負荷をかける課題は、できれば肉体的なものと精神的なものの両方があるとより良いとのことです。
 【例】
 <肉体的な負荷>
 ・軽い運動から始め、ウォーキングをするなら楽しみながら距離を延ばす
 ・ゆくゆくはランニングに移行する
 <精神的な負荷>
 ・難しい資格に合格する
 ・趣味の世界で何かの賞に応募する
 ・山登りで百名山制覇する など

 こういった休養の取り方を、この本では”攻めの休養”と呼んでいます。この攻めの休養について、休養学では7タイプ定義しています。

 今回はその中から2つのタイプを厳選してご紹介いたします。

 1つ目「運動タイプ」
 運動が休養?!と思われるかもしれませんが、休養学では運動を休養の一種とみなしています。適度な運動をすることで、より疲労回復が進むからです。

 休みの日に一日中寝ている人もいるかと思いますが、ずっと寝ていることだけが休養ではありません。※本書では「休息タイプ」というものも記載されています。
 
 横になっているだけだと、血液の流れが滞るからです。一方で軽い運動をすると、血の巡りが良くなり、疲労感の軽減につながります。

 昼間に適度な運動をすると体も疲れるため、夜に深い睡眠がとれる効果もあります。
 <おすすめ>
 ・ヨガ
 ・ストレッチ
 ・ウォーキング など

 2つ目「栄養タイプ」
 疲労回復や疲れにくい体を作るのに、食事も大きな影響を与えます。

 「栄養のバランスの取れた食事を摂る」のはもちろんですが、休養学では「食べないこと」や「食事の量を減らすこと」も重視しています。

 食べ過ぎないことが体を休めることになると考えるからです。 

 「腹八分目」という言葉がありますが、こちらが体に良いということが科学的に正しいと証明されています。

 ある実験で満腹のマウスと腹八分目のマウスの寿命を比較したところ、
  満腹のマウス→約2年 ※マウスの平均寿命
  腹八分目のマウス→約3年

 となり、寿命が1.5倍になっていたのです。

 私たちも活力を得るためには、必要以上に食べないことを心掛けましょう。それが体に休養をとらせることになります。
 <おすすめ>
 ・胃腸に優しい食事を摂る
 ・食事量を抑える
 ・断食、ファスティングをする など

 いかがでしょうか。休養の7タイプは他にも「親交タイプ」や「娯楽タイプ」などございます。気になる方はぜひ読んでみてください。

「休み方」に関する新しい観点

 みなさんは休みをどのように取っていますか?
 「仕事が落ち着いたら休もう」
 「ヒマになったら休みをとろう」

 このように、仕事を基準に休みを取っていないでしょうか。そうすると、疲れ切った状態で休暇に突入することとなります。

 この取り方について、どう思いますか?

 例えば、山登りに行くときとなったら、みなさんはどうしますか。
 ・食料や水はどれくらい持っていこうか
 ・途中で泊まる可能性もあるから、寝袋も持っていこう

 このように、先のことに想像を巡らせて準備をしています。同じことを仕事にも当てはめることができないでしょうか。

 つまり、
 「疲労してから休むのではなく、疲労しそうだから先に休んでおく」
という考えです。予定される活動から逆算して、必要な力を蓄えておくという発想に切り替えてみませんか。

 もう一つ、おもしろい考え方を紹介します。
 手帳やスマホに入っているスケジュール帳ですが、たいていは週末が終わった日曜日に開いて、明日からの1週間の日程を確認することが多いのではないでしょうか。

 この発想、ちょっと変えてみませんか?

 週末が始まる土曜日に開いて、次の月曜日からの1週間の日程を俯瞰するようにしてみることをオススメとされています。
月火水木金

 みなさまは土日をどう捉えていますか?一般的には、平日5日間のあとの休日2日間ととらえている方が多いかと思います。要は、平日が主体です。
 
 この視点を変えるんです。

 土日でたっぷりとして休養、いや攻めの休養にあてて、100%に充電しておくのです。そして、月曜日から少しずつ消耗してて金曜日にでほぼ使い切る。本書ではこれが理想の形だと述べられています。
 
 「平日のあとの土日で休む」のではなく、「土日に休んだ分で平日働く」という意識に切り替えるんです。

 個人的には土日主体の考え方が、すごく興味深く、この本以外にも休日に関する著書が無いかなと探しているところです。この発想、すごくおもしろくないですか?

 休日をもっと意義のある過ごし方にできれば、より豊かなに生活できるのではないかと非常に興味が湧きました。

 いつも活力に満ちた人生、とても素敵じゃないですか!

最後に

 最後まで、読んでいただき誠にありがとうございます。今回初めての投稿となりましたが、いかがだったでしょうか。みなさまにとって読みやすく書けているかが、大変気になりますが、少しでもこの本に興味を持ってもらえればとても嬉しいです。

 今回書いた内容以外にも睡眠や疲れについて、また攻めの休養について詳しく書かれていますので、ぜひ一度読んでみてください。
<リンク先>
https://amzn.asia/d/8E9XSRm

 今後もこのような形式で私自身が紹介したいなと思った本をまとめていきたいと思っています。

 どうぞ、当ブログ「ゆーの勉強部屋」をよろしくお願いいたします。

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