朝イチの「ひとり時間」が人生を変える

読書感想

ある日たまたま、朝早く目が覚めた。それをきっかけに人生のすべてが変わった。

今回の本のご紹介

 今回は、原著:キム・ユジンさん 翻訳:小笠原 藤子さんの『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』をご紹介いたします。

 みなさま、モーニングルーティンはございますか。

 いろいろな朝の過ごし方がございますが、こちらの著書では朝早く起きて仕事に取り組むまでに「ひとり時間」を作るというルーティンが紹介されています。

 朝に数時間かけて、ひとり時間を作るメリットは何なのでしょうか。

 こちら、先に結論を書いてしまいますと、”やらなければならないこととは別に、やりたいことができる時間を確保できること”なんです。

 みなさんは自分がやりたいこと、常にできていますか? 

 日中帯は仕事がありますし、夜ですと、急な約束が入ったり、残業のせいで予定が変更したりします。その結果、やりたかったことが確実にできる保証はございません。

 しかし、朝は違う。誰にも邪魔されず、自分だけの時間を確保できるんです。

 この誰にも邪魔されない時間で得られる効果は絶大で、筆者はこの時間帯のことを「人生のボーナスタイム」と呼んでいます。

 それにしても「人生のボーナスタイム」だったり、タイトルである「人生を変える」だったり、ちょっと大袈裟じゃない??と思われるかもしれませんが、そんなことないんです!

 一日24時間は、誰にでも平等に与えられています。その時間をどう使うかは、あなた次第。

 生活習慣が変われば、その結果、人生が変わることにつながるのです。

 この著書は、著者の経験談を基に話が進んでいきます。

 著者自身が実際に感じたことが、ありのままに記載されているため、非常に実感しやすい内容となっています。

 今回こちらで要約する内容はこの3つ!
 1.朝イチの「ひとり時間」とは
 2.グローバルリーダーの朝の過ごし方
 3.今までと違う朝の過ごし方で少しずつ成長する

 まずは、朝のひとり時間がどういったものなのかもう少し深掘りしていきます。

 そして、後半はそのひとり時間を積み重ねることでどのように成長できるかということを中心に要約していきます。

朝イチの「ひとり時間」とは

 まずは、朝イチの「ひとり時間」について説明する前に、こちらの著書の内容ついて簡単に記載いたします。

 著者であるキム・ユジンさんは韓国出身の弁護士。弁護士として働き始めたものの、毎日同じ繰り返しだなと感じていました。

 朝は寝ぼけ眼のまま体を引きずるようにして出勤。夜は疲れきってぼうっとテレビを見たり、スマホで意味もなくSNSをチェックしたり、ネットサーフィンをしたり。

 仕事が終わると、何もしたくない。無気力なのかうつ病なのかわからないが、いつもふ抜けの状態でした。

 このとき、著者は「人生をすっかり変えられるような特別な時間を持ちたかった。」と語っています。

 とはいえ、何をするにも億劫な日々。特別な方法は思いつきませんでした。そんな日々の中、冒頭に記載した、こちらにつながるのです。

 ある日たまたま、朝早く目が覚めたんです。

 この日をきっかけに朝早くに起きることを習慣化したのです。

 最初に行ってみたのが自分の心を覗いてみることでした。

 今自分が本当にしたいことは何か、これから自分にできることは何なのか、そういったことを考えてみることから始めたと語られています。

 そして、このひとり時間を続けていくことで、次第に変わっていく自分の姿を発見でき、日々が楽しくなったと述べられています。

 さらに頭の中で描いてきた自分の姿が現実化され、人生そのものが変わったと。このようにつながっていったのです。

 こちらのお話、どうでしょうか。

 私、このエピソードには共感しています。

 と言うのも、私も出社時は朝6時に起きて始業1時間前には会社近くのカフェに着き、ひとり時間を作っています。

 カフェなので、完全にひとりではないですが、その時間、私は今抱えている悩みや現状、今日どういった1日にしたいか等、ノートに書いています。

 朝に考えたことって、変な雑念とかがなく、頭の中のモヤモヤがなんだか整理されていくんですよね。自分が自分と対話できる貴重な時間です。

 ちなみに、早起きの有効性は科学的にも証明されています。

 70万人の遺伝子を分析したある研究によれば、朝型人間の遺伝子を持つ人は、そうでない人よりうつ病になる危険性が低く、主観的に幸福を強く感じられるとのこのなんです。

 とは言っても、
 「えっ?朝?ギリギリまで寝ていたいよ。」
 「そんなに早く起きるなんて、ちょっと無理してない?」

 と思われるかもしれませんが、むしろこの明け方を「休息時間」と捉えていると著者は称しています。

 みなさんがリラックスしている休息時間を想像してみたください。

 誰にも邪魔されず、あったかいお茶を飲みながら、好きな音楽に耳を傾ける。

 そう、この過ごし方が朝イチにばっちり合うんです。

 頭の中を空っぽにして、心を鎮めることこそ、真の休息ではないでしょうか。

 こうして明け方に休息することで、日に日に安心感を取り戻せていき、日常にささやかな余裕を持てるようになっていくのです。

グローバルリーダーの朝の過ごし方

 こちらの著書の冒頭と各章の間に、グローバルリーダーのモーニングルーティンが紹介されています。

 いくつかご紹介しますね。

朝、5時に起き、瞑想をする。それが終われば運動をする。
朝7時30分になるまでスマホを確認しない。
その後、たまった仕事をチェックし、歩いて出勤する。
5マイルほどの道のりでポッドキャストやオーディオブックを聴く。
すなわち、一日の最初の3時間は私自身への投資なのだ。
私は心を静かに整える。健康のために体を動かして、そこで何かしら習得する。
そうすれば、すでに大きな勝利を得た状態で一日を始めたも同然だ
ツイッター共同創業者・元CEO ジャック・ドーシー

毎朝4時15分に起き、一日を始める。
明け方のルーティンを終えるまではスマホをいじらない。
そして、何かを読む代わりに運動や思索をする。
私は文章を読むと、他人の考えにすぐ引き込まれる。
そうすると集中力が散漫になってしまう。

だから、静かな朝、一人で物思いにふけることが好きなのだ。
明け方の静けさが、私の一日を決める。
ウォルト・ディズニー・カンパニーCEO ボブ・アイガー

 どうでしょうか。このように、グローバルリーダーたちは、朝に「ひとり時間」を活用していることがわかります。

 でも、ひとり時間って具体的に何をすればいいの?と疑問に思ったそんなあなたへ。

 正直、何でもいいんです。だって、あなたがコントロールできる時間なんですから。別に何かすごいことをしなくてもいいんです。

 ちなみに、著書では5つ具体的な過ごし方が紹介されているので参考にしてみてください。

 ①先延ばしにしたことをやる
 ②体を動かしてみる
 ③読書する
 ④趣味を楽しむ
 ⑤勉強に勤しむ

 ”①先延ばしにしたことをやる”について、補足しておくと、今まで挑戦しようとしたが、時間が無くていつかやろうと先延ばしにしていたことを明け方にやってみるということです。

 著者の場合は、もう少し身近なことを例として挙げられており、残業が必要な仕事を代わりに明け方に行うというものでした。

 定時までに終わらなかった仕事。同じ内容でも、残業だと、仕事に追われて帰れないという嫌な気分になりますが、明け方だとあらかじめ仕事を片付けたこととなり、爽やかな気持ちを味わって始業できると紹介されています。

 明け方に仕事のメールチェックをするといったグローバルリーダーもこの著書では紹介されてもいます。

 
 このように、グローバルリーダーのモーニングルーティンを見てみても特別なことはしていません。

 大事なのは、何をしたかではなく、明け方に作業するという生活習慣です!

 あっ、忠告として本書でも書かれていたので触れておきますね。無理して早起きをして健康を害したら元も子もないです。

 健康に大きな影響を及ぼす要因は、起床時間ではなく、総睡眠時間です。

 したがって、明け方に起きるということは、何時に寝るかというのがポイントとなります。ですので、1日の生活リズムを見直してみてください。

 そして、毎朝、早起きできなくても問題ないです。どうしても体調がすぐれない日もあります。

 疲れた日にはいつもより睡眠を取る方が、一日を無事に過ごすために、はるかに有益ですからね。

 寝坊しちゃった日は、「ぐっすり眠った日」という風に考えちゃってください。

今までと違う朝の過ごし方で少しずつ成長する

 ここまで、明け方のひとり時間とはどういったものか、お伝えしてきました。

 では、この明け方のひとり時間によって、どのように成長できるのでしょうか。

 その前に、話をいったん、著者の経験談に戻しましょう。

 たまたま朝早くに起きた著者が行ったのが、自分の心を覗いてみることでした。

 具体的には白い紙を取り出して、現在の問題点、原因、解決法、結論を書き留めるメモを作り、考えを一つずつ整理したのです。

 静かに頭の中を整理した明け方は、著者にとってはまさに癒しの時間。

 自分がどんな考えで、何を望んでいるのかもわからなかった彼女。そんなときに訪れたんです。ふと立ち止まって人生を見つめ直すチャンスが

 そして昇る太陽を見つつ、彼女は「よし、今日も頑張ろう!」と心の中で叫んだのでした。

 彼女の気持ちは爽快でした。紙にまとめたことで、自分の欠けている部分に気づき、頑張ろうと思えたのです。

 翌日も同じように明け方に起き、白紙に心の内を書き出しました。

 何が自分を怒らせているのか、守るべき私の基準は何か、私が断念できること・できないことは何か、望むことは何か。じっくりと考えました。

 このように、一歩引いて自分を観察し、点検することから一日を始めたのです。

 翌日も、さらに翌日も。この時間を過ごすことでポディティブなエネルギーを得ていました。

 前向きなエネルギーを得られるというご褒美につられ、彼女は進んで早起きし、早起きする習慣がつきました。

 この結果、多くのことが変わり始めたのです。

 仕事に遅刻するかもという焦りがなくなった他に、毎日新たな気分で自分自身と向き合い、不必要や悩みを整理しました。

 すると気持ちがさっぱり!いくら寝てもたまらなかったエネルギーが充電されていく感覚がしたと言います。

 あれだけ、毎日同じ繰り返しと感じていた人生も、思ったより悪くないなと実感し始めたのです。

 ここまでの著者の過程をまとめると、
 「自分についてじっくり考える時間が増えると、自然と自分に欠ける部分を埋めたいと前向きな気持ちになれた。それだけ、明け方起床というものが、人生を変えたいと思う意志を呼び起こしたのです。」

 明け方に取り組んだだけで、ここまでの恩恵を受けられるとは!まさに人生のボーナスタイムなのです。

 毎日、少しずつ自分の欠けている部分に気づき、その改善に向けて前向きに取り組む。そういった小さな成功体験を積み重ねることでさらに自信につながり、また新しいことに向かうことができるのです。

 こうして、習慣が変わると、自分が追い求めてきた価値観が変わり、夢や目標、動機や根気までもまた自ずとついてくるのです。

 習慣化することで人生が好転して変わっているというのも納得できるのではないかと思います。

 今回ご紹介した朝イチのひとり時間についていかがだったでしょうか?
 こちらの著書を通じて、明け方というボーナスタイムを目一杯、活用していきましょう!

最後に

 最後まで、読んでいただき誠にありがとうございます。私も今となっては、出社時のルーティンとしてひとり時間を作るようにしていますが、よくよく考えたら学生時代も自発的に明け方に起きることを経験していました。

 というのも、期末試験とかで勉強する際に、これらの英単語が覚えられない!ということがあったのです。そして、ふと、テレビか何かで朝に勉強するのが効果的と言うのを聞いたのを思い出して、やってみたんです。

 すると、昨日覚えようとした英単語が結構頭に入ってきたのを今でも覚えています。意外と昔から朝に起きてみようとはしていたみたいです。

 みなさも一度、騙されたと思って明け方習慣を取り入れてみてください。

 今回書いた内容以外にも朝なかなか起きれないっていう人へのコツであったり、どういった方が明け方習慣を取り入れることができるか紹介されています。

 重複しますが、著者の実体験が書かれているため、とてもわかりやすい、オススメの1冊です。
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