その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

読書感想

これを読めば全部解決します!悩み続ける毎日を変えるヒントは、哲学の中にあったんです。

今回の本のご紹介

今回は、著者:小林昌平さんの『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』をご紹介いたします。

ほんと悩みってつきないですよね。「このノートに悩みを自由に書いてて」って言われたら一心不乱に書けると思います。

でも、皆さん朗報です!なんとみなさんの抱える悩みにはすでに答えがあるんです!しかも何百年、いや何千年も前に!

「???」今このように頭の上にクエスチョンマークがついた、あなた!!ちょっと待ってください!!まだブラウザバックしないでください!!

というのもですね、ロンドンの大英博物館に、とある文字が書かれている粘土板が展示されているんです。

それは紀元前1750年頃、人間文化発祥の地といわれるメソポタミアで書かれたものなのですが、いったいなんと書いてあると思いますか?

実はこんなことが書かれているんです。

「店に『いい銅の延べ棒を渡しますから』と約束されて金を払ったのに、ひどいのをつかまされた」

「『欲しいのでしたら差し上げますが、いらないのならお帰りください』だと?」

「ちきしょう店の野郎、おれを誰だと思ってるんだ?」

「ほかの客にもこんなナメたマネをするのか?」

要するに、悪質商法に遭ってしまい、やり場のない怒りを書き記していたのです。

今と変わらず紀元前からこういうことがあったんです。

展示物から遺された言葉を紐解いてみると、仕事、健康、家庭、お金などなど。紀元前の人たちも現代の私たちと同じような類いの悩みを抱えていたことがわかったのです。

となるとですよ。逆に考えてみてください。そんな昔から同じような悩みを抱えていたということは、同じだけの長い年月をかけて、数多くの人がこれらを克服しようと考えてきたということでもあるのです。

特に真剣に悩みと格闘し、もがき苦しんで答えを導きだそうとしたのが哲学者や思想家と呼ばれる方々です。

この著書では26もの悩みに対し、哲学者たちがどのような答えを導き出したか記載されています。

 ・忙しくて、時間がない
 ・上司とうまくやっていけない
 ・ダイエットが続かない
 ・人生がつらい などなど

今回は、紹介されている悩みから3つピックアップしてきました。

 1.悩み ”将来、食べていけるか不安”
 2.悩み ”常に漠然とした不安に襲われている
 3.悩み ”夜、孤独を感じる”

哲学者の語る答えとは?ぜひその答えを参考にしてみてください!

悩み ”将来、食べていけるか不安”

その悩み、アリストテレスが答えを出しています!

 ・このままの今の仕事を続けて良いのか
 ・給料が上がらず、税金に搾取される 
 ・将来に向け、何か始めるべきなのか

連日、物価高に関するニュースが取り上げられたり、老後2000万円問題が話題となったりして、お金の悩みが絶えません。

いちばんの収入源は会社からの給料。ただこの会社に居続けていいのかというのも、これまた悩みとなります。

もちろん、将来に向けた計画を立てることはできます。しかし将来を案じ、その計画を細かく詰めたところで、心配は本当に解消するでしょうか。

残念ながら、計画を立てても、将来何が起こるか誰にもわかりません。

では、この悩み・不安をどうすれば払拭できるのでしょうか。

 教えてくださーい!!
 アリストテレスさん!!

アリストテレス「お答えします。将来の目的や計画をいったん忘れ、今この瞬間のやりたいこと、やるべきことに熱中せよ!

こちらの回答について、詳しく見ていきましょう。

アリストテレスは、目的を度外視して没頭することで、結果的に目的達成に導くことができると述べています。

目的から逆算して今やるべきことをやるのは、一見賢いようで、実は、”今この瞬間”没頭している人よりもパフォーマンスが落ちる傾向があります。

まるで、今の私の読書のようです。今年は○○冊読むぞ!そのために、毎月○○冊読む!って計画立てるより、とにかく熱中して興味のある本を読み続けていると、自然に読む数は増えているものです。

もちろん、がむしゃらに楽しんでやっていくとは言っても、全く結果を考えない人はいないと思います。

「あわよくば成功したらいいな」という欲は人間にはつきものですから、頭のどこかに置いておいておく程度でよいのです。

自分が向いていると心から感じられる作業に全力で打ち込み、充実した手ごたえを感じながら毎日を生きている。そんな人には、自然と結果がついてくるものなのです。

無欲にやりたいことをやるだけやったら、次がある!」そんな考え方でいきましょう!

悩み ”常に漠然とした不安に襲われている”

その悩み、トマス・ホッブズが答えを出しています!

 ・今の仕事は、本当にうまっくているのだろうか
 ・誰かに陰口を言われていないだろうか 
 ・何となく過ごしてきたが、このままでいいのだろうか

こんな風に考えてしまい、寝つきが悪くなったり、休みの日も十分に休息が取れなかったりする。

現代人の多くはそんなモヤモヤを抱えて生きているのではないでしょうか。

たまには自由な気分になって、不安をゼロにできたらどれだけいいだろうか!

では、この悩み・不安をどうすれば払拭できるのでしょうか。

 教えてくださーい!!
 ホッブズさん!!

ホッブズ「お答えします。人間の感情において最も根源的なのは恐怖であり、不安である。いつだってびくびくしている、そういう状態こそ、人間の本来の姿、つまり”自然状態”である。」

これは、いったいどういうことでしょうか?

ホッブスの生きた時代のイギリスはピューリタン革命真っ只中でした。

言わば、血で血を洗う戦争状態。ホッブスの自然状態はこういった暴力的で野蛮なものでした。

周りは敵だらけ。疑心暗鬼で、おちおち眠ってしまうと寝首をかかれる。そんな環境下でホッブスは生きていました。

こんな各自睨みあうような戦争状態を脱するためにも、ホッブスは「社会契約説」を唱えました。

「社会契約説」とは、簡単に言うと、ある一人を自分たちより頭ひとつ抜けた”主催者”とし、その人に自分たちのすべての権限を明け渡して服従する代わりに、身の安全を保障してもらうという考え方のことを指します。

彼はこのように「恐怖」により、野蛮な戦争状態から近代的な国家統治に至る、人間社会発展のストーリーを組み立てたのです

周りは敵だらけ。疑心暗鬼で、おちおち眠ってしまうと寝首をかかれる。なんて、恐ろしい時代だ…。と思った方、果たしてそれは過去に限った話でしょうか。

デジタル経済が発展する時代を向かえる現在、身近なところを例に挙げると、「SNS」によって有名になった人を叩き、炎上させ、社会から抹殺することが容易となりました。どこかホッブスの生きた時代に通ずるものがないでしょうか

他にも会社経営も同じように、熾烈な競争の場を少しでも長く生き抜くために、しっかりとリスク管理をし、リスクを回避できるよう常に心配しなければなりません。

成功に浮かれていたら、失脚してまう。舞い上がっていたら。足元をすくわれてしまう。こういった「恐怖の力」は生きながらえる上で不可欠であり、現代もホッブズの語る自然状態と変わらず「臆病であること」が生き残るための条件なのです

ですから、不安で頭がいっぱいであることはむしろデフォルト状態。そうやって腹をくくれば、むしろその不安を糧に、「今」を生き抜くことができると考えられないでしょうか。

悩み ”夜、孤独を感じる”

その悩み、アルトゥル・ショーペンハウアーが答えを出しています!

 ・昔は友達もいたけれど、今日は誰からも連絡が無かった。
 ・夜が静かだと、世界にもう自分ひとりしかいなくなった気がする。 
 ・今独り身だが、結婚できるだろうか。

生涯未婚率が高まったり、熟年離婚が増加したりしている日本。孤独死への不安も深刻化しています。孤独者を中心に、「孤独のつらさ」は身近な悩みとして、多くの人が痛感するところとなっています。

では、この悩み・不安をどうすれば払拭できるのでしょうか。

 教えてくださーい!!
 ショーペンハウアーさん!!

ショーペンハウアー「お答えします。孤独に耐えられない、寂しいからといって、他人と一緒にいたってろくなことはない。

「ろくなことはない」とは、なかなか圧が強い言葉ですね。

まずは、ショーペンハウアーについて紹介いたしますと、彼は「ペシミズム哲学」の代表的存在として知られています。

どういったものか簡単に記載しますと、この世界や歴史なんて、何の意味や目的がないという考え方だと本書ではこのように述べられています。そのため、この世は幸福になることも、満たされることもない、むなしい世界であると捉えています。

そんなショーペンハウアーにとって、人付き合いとは、他人に合わせるがゆえに「自分を捨てる」ことでした。

どれだけ親しい友人や恋人といても、「個性や気分の相違のために、必ず不調和が生じる」と主張しています。

それは、どんな間柄でも、やっぱり他人だからです。

今回の悩みは、孤独を感じてしまうということでしたが、「あー…寂しい…。誰か話し相手がほしい…。」と思って、いざ会ったり通話してみたりすると、自分と相手のその時の気分や状況、興味がうまくかみ合わないことがあります。

結果的に、相手に気を遣ったり、相手に合わせることになったりする。これは、本来の自分らしさを犠牲にしているのではないでしょうか。

ショーペンハウアーはこう言います。「そこまでして、他人と一緒にいたいか?

なんだか、さっきから毒舌なショーペンハウアーですが、さらに、ばっさりと切り捨てます。

なぜ、人は孤独を嫌がり、自分を捨ててまでも群れたがるのか。

それは、「自分がないから」です。

要するに、人間が孤独でつらいと感じるときは、自分の内面が空っぽで、貧しいからだと言っているのです。

なぜ、こんなにも孤独で寂しいことに対して、否定的なのか。それは、そもそもショーペンハウアーにとって孤独とは「心の自由な精神の豊かさを育む機会」と捉えているからです。

先ほどの回答について付け足すと、「孤独に耐えられない、寂しいからといって、他人と一緒にいたってろくなことはない。そんなことする暇があったら、自分の内面と向き合って孤独の時間を大切にしなさい。」ということなのです。

いわば、孤独を楽しめ!!と主張しているのです。

興味あることに熱中する。好きなものをとことん掘り下げる。自分一人でしかできない仕事に没頭する。このように、孤独の時間を有意義に過ごすことができるのです。

孤独だと思うときこそ、誰かと一緒にいたいという衝動をコントロールし、自分の時間を大切にしてください。

また、孤独が寂しいと思ったら、一度考え方を変えて、積極的に受け入れてみることも試してみてください。

きっと、自分自身と向き合えて心の内面から自分を豊かにできるきっかけとなるはずです

最後に

前回の投稿の「最後に」記載した内容、見ていただけましたでしょうか。
努力革命 ラクをするから成果が出る! アフターGPTの成長術

こちらに「ChatGPTに聞いてみた結果、おもしろそうな本が見つかった」と書いていましたが、実はこの本だったんです!

哲学に関する本は読んだことなかったため、こういうジャンルも積極的に読んでいきたいと思いました。

ちなみに、私の主な悩みは3つ目の”夜、孤独を感じる”でした。

ですので、「孤独が寂しいと思ったら、一度考え方を変えて、積極的に受け入れてみることも試してみてください。きっと、自分自身と向き合えて心の内面から自分を豊かにできるきっかけとなるはずです。」

というのは自分に向けた言葉でもあります。この考え、すぐに取り入れられるといいのですが、ゆっくりでいいので、取り入れていこうと思います。

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