【5分要約】『お金の不安という幻想』 今こそ見直すお金との向き合い方

読書感想

個人のお金の悩みを紐解いていくと、ある本質的な課題に繋がるのです。

今回の本のご紹介

今回は、著者:田内 学さんの『お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点』をご紹介いたします。

老後2000万円問題。
こちらが問題視されてからお金にまつわる悩みが顕著になりました。
「お金を貯めなければ!NISA?投資もしておくべきか?」
お金があって困ることはないですからね。

でも待ってください。
一度立ち止まって考えてほしいのです。
「いくらあったらあなたのお金の悩みって無くなりますか?」

いくらあったとしても付きまとうお金への悩み。
この悩みはなぜ生まれるのでしょうか?
この本を通じてお金との向き合い方を見つめ直すことができるのです。

この本の学びポイント

本書のテーマは「お金との向き合い方」。

著者は田内学さん。『お金のむこうに人がいる』、『きみのお金は誰のため』など。
お金の本質について数々の著書を執筆されています。
『きみのお金は誰のため』はビジネス書グランプリ2024受賞されるほどの名著。

そんな著者だからこそ語る「現代社会のお金の悩み」に関する捉え方は非常に理解しやすいものでした。
この本を通じて、あなたの抱く悩みの本当の問題点を考えてみませんか。

ということで、本記事では、
・お金の不安が増長する要因
・お金より大事な資産
・お金の不安の本質

これらをピックアップしてまとめていきます。

この本の要点3選

お金の不安が増長する要因

・金融庁がまとめた「老後2000万円問題」
・政府が推奨した「新NISA制度」
・金融会社が奨める「投資金融商品」

そして、スマホやPCを触ればSNSやネットニュースでこの手の話題がたくさん見つかります。
様々な意見が飛び交い自分も投資とか始めなきゃと焦りが募る。

このようにあなたのお金の悩みは外から取り入れたことによって生まれたものではいでしょうか?
ただ外部からの不安に煽られてお金を貯めなきゃと思った場合。
あなたの不安はどうすれば解消されますか?

そこで大事なのは自分のモノサシを持っていること。
例えば自分の中で明確な目的・指針があって投資を始めたのであれば問題ないです。
言い換えればあなたが購入したものはあなたにとって価値のあるものか考えてほしいのです。

本当にあなたにとって大切なものの価値は、自分の心の奥に刻まれているものじゃないですか。
お金に限らず、自分の軸がなければ、誰かの都合で作られた価値観に振り回されるだけです。

【Point】
外部からの影響を受けすぎると不安が膨張するだけ。
自分のモノサシを持つことが不安に振り回されない第一歩である。

お金より大事な資産

終身雇用制度が崩壊し、会社が社員を守ってくれるのは昔の話。
今や「個」で勝負するのが常識。
自分という価値を提供していくのです。

つまり本当に大事なのはお金という金融資本よりも自分という人的資本。
自分を磨き続けることを疎かにしないこと。
そうすることで自然と自分の内側に資産が蓄えられていきます。

でも自分一人じゃ限界がある。
どんなRPGのゲームでも主人公一人では攻略できません。
仲間と協力して強いボスたちを倒していくものです。

共通の目的を持っている人、または応援してくれる人とのつながり。
こういった協力や愛によるつながりのことを社会関係資本といいます。
この社会関係資本を蓄えることであなたの取れる行動範囲や選択肢はどんどんと広がっていくのです。

目に見えるお金(金融資本)を優先しがちですが、一度築いた人的資本と社会関係資本は簡単には失われません。
これらを土台にして安定した金融資本を増やしていく。
まさに「お金より大切なものがある」とは昔からよく言ったものです。

【Point】
お金だけに頼るリスクの高い生き方を抜け出す。
そのためにはまず自分の「内側」にしっかりと資産を蓄えることが重要。

お金の不安の本質

ここでひとつ、こういう意見が出るかと思います。
「老後2000万円問題って言われてるんだ。その金額が貯まれば不安は解消されるじゃないか。」

2000万円を貯めるという目標に達すれば確かにその悩みはなくなることでしょう。
ただ残酷な現実が待ち受けています。

少子高齢化が進むことで働き手が少なくなります。
すると、どんどんも生産性も減少していきます。
ですから、お金があっても物がない。
そんな現状に直面しているのです。

つまり、みなさん。
「お金さえあれば大丈夫」という幻想に、私たちは振り回されすぎてはいないでしょうか。

確かに老後資金や物価高などで不安を搔き立てられています。
しかし、その根底にあるのはお金ではなく、働き手不足なのです。
不労取得だけで生活するFIRE というのもありますが、さらに働き手が不足してしまう事態を招いています。

将来の自分が充分な暮らしを送るために、
🙅個人でお金を貯める
🙆個人個人協力して人口問題や生産性など社会全体の課題に目を向ける

といった視点をもって行動していく必要性があるのです。

【Point】
「老後の不安」は個人で解決する問題ではなく、人口構造という国全体で取り組むべき問題だった。
それがいつしか「個人のお金の不安」にすり替えられてしまった。

実生活への応用

人口問題や生産性低下といった課題。
私たち一個人でいったい何ができるのでしょうか。

本記事では次の3つを提示してみます。

リスキリングで「生産性を高める」

一人ひとりがスキルを磨くことで、限られた労働人口でもより高い付加価値を生み出せます。
例えば、今はAIといったデジタルスキルが有効的。

政府もリスキリング支援制度を整備しています。
企業・個人の意識変化が日本という国の競争力向上につながります。

ワークライフバランスを整え、健康を維持する

「長く働ける健康」。高齢化社会を生き抜くのに大切な資産です。
睡眠・運動・ストレスケアを重視する。
すると、労働力維持に貢献しつつ、医療費を抑えることもできます。
持続的に働けることの意識が重要です。

子育て・教育への理解と支援を広げる

人口が少なる今、社会全体で子どもを育てる意識が大切です。
具体的には、職場での育児休暇への理解や、地域でのボランティア参加など。
子育て世代を支援する社会的な空気が広がることで、出生率向上にも間接的に貢献できます。

今回挙げてみたのはほんと一例。
あなたにもできることを探してみませんか?
個人の行動の積み重ねが長期的な改善へとなり得るのです。

まとめ

目の前のお金ばかりにとらわれない。
それよりもあなたの内側に蓄えられる資本に目を向ける。
自分を磨き上げ、人とのつながりを広げることに注力すべきです。

しかし、それでは抜本的な解決にはならない。
人口問題、生産力低下という大きな課題に一人ひとりが協力して解決しなければならないのです。

今こそ、働き手不足問題という強敵に協力して立ち向かいませんか?
一人ひとりの力が合わされば、強敵を倒せるくらい大きな力となりますから!

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